愛和塾には飛田給・西調布・武蔵野台・白糸台周辺の小中学生が通っています。主に都立高校志望の非通塾者に向けて勉強法を記述しました。

受験プログラム

  • HOME »
  • 受験プログラム

受験プログラムの考え方

 

1.受験勉強とは

受験勉強とは、「自分の学力」と「受験する高校が高校生として持っていて欲しいと考える学力」とのギャップを埋めるための勉強です。
もし受験する高校の望んでいる学力以上の学力を既(すで)に備えていたとしたら、受験勉強は必要ありません。
従って単に問題が解けるようになるとか、教科内容を理解するといった勉強とは本質的に違うと言うことをまずは肝に銘じなければなりません。誤解を恐れず
に極論を言えば「*1分かっていても点数がとれない勉強から、分かっていなくて
も点数のとれる勉強」に切り替えて行かねばなりません。

2.効率的な受験勉強とは

(ア)すべての教科で満点を取ろうと思うな

「そんなこと思ったこともない。」と大部分の受験生は口をそろえますが、それでは逆に、それぞれの科目の獲得目標点を定めて勉強しているでしょうか?
もち論、思い通りの点数を獲得するのは難しいことですが、*270%を目標と
している教科と90%を目標とする教科とでは、おのずとその勉強の方法も時間
のかけ方も違ってくるはずです。出題率の低い難問に時間をとる必要はほとんどないと言えます。

(イ)限られた時間内での勝負

限られた時間(一般的には長くとも1年間)の範囲で、学力のギャップを埋める
事に尽きます。余計な勉強をする必要はありません。*3出題されそうなところだ
けを要領よく勉強せよ。ということになります。

3.受験勉強における計画性とは

(ア)獲得目標点との関係

自分でとれそうな点数、または、取らねばならない点数を吟味し、学習の計画時には常にそれを考慮に入れて考えなければなりません。一般的には、本格的な受験勉強に入ってから上がる偏差値は、20位が限度とされています。

(イ)時間の制約

本格的な受験勉強は、最長でも10ヶ月程度で成果を上げることが必要です。
つまり300日の勝負です。かけられる時間には限度があるのです。
仮に、一日平均2時間の受験勉強の時間をとったとすると、週に1度の休日を入れたとして43日の休日が入るので
2×(300-43) = 514時間
3教科受験なら1教科にかけられる平均時間は
514÷3≒ 171時間
1日2時間の勉強時間を前提としているので
171÷2≒ 85日
5教科受験なら1教科にかけられる平均時間は
514÷5≒ 103時間
1日2時間の勉強時間を前提としているので
103÷2≒ 51日

上記のことから
3教科受験なら1教科に平均170時間(85日間)
5教科受験なら1教科に平均100時間(50日間)掛けられます。

たとえば、10月1日から本格的に勉強を始めたのだとすると、都立高校の受験日2月23日まであと145日、週に一度の休日と年末年始に2・3日の休日を入れると25日の休日となるので
145-25=120日
1日2時間の受験勉強時間を取るとして
120×2=240時間
3教科受験なら1教科にかけられる平均時間は
240÷3= 80時間
1日2時間の勉強時間を前提としているので
80÷2= 40日
5教科受験なら1教科にかけられる平均時間は
240÷5= 48時間
1日2時間の勉強時間を前提としているので
48÷2= 24日
となります。

上記のことから
3教科受験なら1教科に平均80時間(40日間)
5教科受験なら1教科に平均48時間(24日間)しか掛けられません。

(ウ)科目の特殊性

得意・不得意と個人差はありますが、一般的には
英語は積み重ねが必要なため、一朝一夕にできるようになる科目ではありませんし、数学には内容の豊富さと難しさから言っても多くの時間がかかります。
そりに対して、*1社会科には上記2教科に比べればそれ程に時間を掛けなくと
もある程度ならこなせる科目だと言えるでしょう。ただし、完全に覚え込むには繰り返しが必要ですから、それなりの時間はやはり必要となります。
(エ)学校の授業・行事との関係
中学生の中には、学校の授業は聞かずに塾(予備校)の勉強を中心にと考えている人がいますが、これは全くの間違いです。学校にいる時間が中心とならざるを得ない中学生の生活を考えてみればこれを生かさない手はありません。
直接受験に無関係な学校行事に関しては、確かに受験という観点だけから考えたなら無駄と言わざるを得ません。しかし、定期考査は、現在内申点の比率が下がってきている傾向にあるとはいえ、3割(または4割)はかなり大きな比率だと言えます。内申点は受験での持ち点となりますから決しておろそかには出来ません。その他小テストなども内申点に響きます。普段からの勉強をきちんとして模擬試験のような気持ちできちんと準備した上で受験すべきでしょう。推薦を狙わないとしてもせっかくテストしてもらえるチャンスですから、それを利用しない手はありません。ただし、その場だけの丸暗記で点数だけ取ろうとする勉強は意 味がありません。学校の勉強を通して身に付く勉強をすることに心がけましょう。

4.受験プログラムの組み方

(ア)志望高校の選定について

なるべく早い時期に、志望高校を選定しましょう。これが鮮明になればなるほど勉強への目標が鮮明になってきます。めざす高校の偏差値と自分の学力とのギャップを埋める勉強が受験勉強ですから、めざす高校がはっきりしないことには厳密な意味での受験勉強を開始することは不可能だと言えます。
但し、最終的な受験校と志望校とは若干ずれてくるのが当然だと言えるでしょう。また、4月の段階ではめざす高校がはっきりしていない場合もあるでしょうし、9月頃にならないと各高校についての受験年度の情報(入試日程その他)も出て来ません。そんな意味で、勉強を進めていく中で段々と志望校が鮮明になっていくという方がむしろ一般的だとも言えます。

(イ)一年間(10ヶ月)のプログラム(一年間の大まかな計画と目標)のポイント

i. 夏期講習(4~8月)まで

a.1学期期末試験の成績で内申点は決定する。
2学期の成績が内申点となるのですが、むしろ現実的には1学期の期末の成績でほぼ決定されると言っても過言ではありません。2学期の成績はその微調整に利用される程度でしかありません。1学期の期末試験が行われる頃は部活でも中心メンバーとして活躍する時期と重なります。是非部活動でも頑張って欲しいのですが、「勉強は部活を引退してから」と考えるのは、受験勉強という観点からすると2つの点で間違っています。
その第一は、上にも記したように部活を引退するのは1学期の期末試験が終わった後であり内申点は決定してしまっています。内申点はまさに受験の時の持ち点ですから持てる力を精一杯発揮した結果として得た点数でなければ満足行く高校受験だとは言えないでしょう。
その第二は、今まで勉強をする習慣もなく部活のことだけを考えてきた者が引退したからと言って急に勉強の方に集中できるはずはありません。人はそんなに都合良く自分の心をコントロールすることなどできないのです。引退後も数ヶ月は勉強も手につかず過ごしてしまうことでしょう。
部活で忙しいのですから(身体も疲れるのでしょうから)、まずは学校の授業に集中して授業中に全てを理解し覚え込んでしまうように努力すること。そして効率よく勉強できる生活のために計画を立てて、短時間でもよいので集中して家庭学習ができる体制を整えることが大切です。

b.内申点を上げるポイントは技能4科
技能4科は都立受験では当日テストがない科目なので換算内申では1.3倍されます。技能教科かではまず実技テスト(毎回の授業そのものとも言えます)を真面目に受けることが大切です。その上でペーパーテストがあるのですが、これはテキストの一定範囲やプリントなどを覚えることで高得点を期待できるものが多いようです。しっかり準備することが大切です。

c.不得意科目の克服期
まず受験勉強の初期の段階で、点数がとれない科目または苦手意識を持っている科目が受験科目にある場合には、その克服に心がける必要があります。
現在偏差値60の教科を65に上げるのと偏差値45の科目を50に上げるのでは同じ偏差値を5上げることなのですが、いくら不得意とは言え、一般的には後者の方が楽だと言えるでしょう。学校の成績でも4を5に上げるよりも3を4に上げる方が一般的には楽(可能性が高い)だと言えます。その意味でまずは上げやすい科目=不得意科目から頑張ってみることです。
入試は総合点の勝負だと言うこととともに、実際に成績が上がる経験をするのはやる気(モチベーションを上げる)という点でも大いに意味があるからです。

d.積み重ねの教科に力点を置く
英語や数学、そして国語のように*1積み重ねが大切な科目は早めに基礎力を固
めておく必要があります。それは一朝一夕では対処できない科目だからです。また、時間がかなりかかる科目だからでもあります。

ii. 冬期講習前(9~11月)まで

得意科目を磨く時期(ほとんどの部活では引退している時期です)
この時期に入って少し涼しくなってくると精神的にも焦りを感じてくる場合があります。そんな時期には、自分の得意科目を勉強することで心が落ち着くはずです。但しまだまだ受験で得点を上げるには不得意科目への取り組みも大切な時期です。落ち着いたところでもう一度不得意科目にも取り組むこともお忘れなく。
部活引退による生活の変化で心身ともに脱力感に襲われるような時期でもあります。しかしこの時期の過ごし方は受験勉強という点では最も大切な時期だと言えます。一刻も早く心を切り替えて受験勉強に集中できるかどうかがポイントとなります。

iii. 入試直前期(12~2月)まで

*2赤本で特に不得意な分野などを発見できたらその補強をする時期
受験する高校の入試問題に合わせた勉強こそ本当の意味の受験勉強だと言えます。ですから厳密に言えばここまでの勉強は受験勉強に入る前哨戦とでも言うもので、(つまり今までの勉強はどの高校を受けるにしても共通の勉強であり、この期からの勉強こそ本当の意味での受験勉強です。)本格的な受験勉強です。よく出題されている形式または内容であって自分が不得意とするものがあればこの時期に完全に補強しておかなければなりません。

覚えておかねばならない事項が多い『理科』と『社会』に力を入れよ。
「電気」ができれば「天気」も分かるはずだ。というようなことはありません。「地理」が得意な人は「歴史」も得意だとは言えないでしょう。それぞれの単元が多少の共通点はあるにしてもそれぞれ単独の知識であり別個に覚えなければなりません。逆に言えば、英数国のような積み重ねの科目とは違い覚えた分だけすぐに点数になる科目だとも言えます。ただしどうせ今覚えても後で覚え直さねばならないのだからと言うことでテストの直伝に覚えればよいのだという考えは全く見当違いのものです。そんなに短時間で覚えきれるような量の知識ではありません。繰り返し覚える努力を積み重ねなければテストで役に立つような知識の固定化は決して図れるものではありません。

(ウ)学期ごとのプログラム(前期・夏期・後期・冬期・直前期の計画と目標)

i. プログラムの調整を行う
学期ごとに自分の計画を調整する必要が出て来ます。予定通りにできる方  が希(まれ)と言えます。柔軟な対処と同時に自分でたてた計画なのですから、石に かじりついてでも目標を達成してやるのだという強い意志からなんとか目標  を達成させようと言う強い意志も必要となります。

(エ)一ヶ月のプログラム(月ごとの計画と目標)

i. 月ごとの総復習により学習成果の確認を行う
月ごとに自分の学習がどこまで進んだのかを確認するのは、他にやりたい  ことがあっても自らに鞭打って頑張ってきた結果を確認しておくことであり  勉強意欲の高揚という観点からも大切なことです。また、学習が予定通りに  進んでいるのかどうかを確認しておくことも大切なことです。

(オ)一週間のプログラム(曜日ごとの計画と目標)

i. 塾の時間割に合わせて
せっかく塾に通っているのですから、塾の授業に対する予習・復習を最優先してください。授業をきちんと理解できるようにすること。そして覚えるべき事をきちんと記憶することに努めましょう。極論すればそれだけで十分に合格できる学力が身に着くはずです。
また、塾の授業は受験勉強のペースメーカーともなるはずです。自分だけでやっていたのでは得意科目に時間を掛けすぎたりその逆になってしまったりとなかなかほど良いペースをつかみにくいものですが塾の授業に合わせて勉強していけば自ずと受験日までには勉強が終了できるペースになっているはずです。
これは塾の勉強、これは学校の勉強、これは自分の勉強と称してそれぞれを別個に考えている人が中にはいるようですがこれは塾に通う生徒としては損な考え方です。かえって塾に通っていることで負担を増やしてしまっています。すべてが自分の勉強なのです。ことさら自分の勉強と称して他の勉強をする必要はありません。塾の予習復習を完璧に行うことにその分の力をすべて注いで下さい。

ii. 予備日を取って、計画に柔軟性を持たせる

一般的には、いくら努力してみても予定通りに勉強が進む方がむしろ希(まれ)であると言えるでしょう。しかし遅れていてそれでいいと言うことにはなりません。ですから遅れを取り戻せる時間の余裕を最初から入れておくべきでしょう。この予備日を予定通り進まなかった分を取り戻すための時間として使います。予定通りに進んだ週にはこの時間は自由時間としてのんびり使います。そうしておけばこの自由時間のために頑張ることもできるでしょう。

 

5.その他の留意点

(ア)単調な日々に変化を与える

受験生の生活はどうしても単調な日々に思われ、飽きてしまいがちです。本当は日々の勉強の中で新たな知識に出会ったりと決して単調ではないはずなのですが、毎日・毎週同じ時間割の中でそれをこなしていくことだけのように感じられ退屈日々の繰り返しに過ぎないと言う錯覚に陥りやすいものです。
その中でも例えば、興味を持っている高校を訪問してみるとか、思い切ってその週だけは予定を大幅に変えてみて変化を与えてみるとかの工夫を試みて下さい。そんな小さな工夫により新鮮な気分で新たな意欲がわいてくるものです。

(イ)成果を確認する時間を毎日とる

毎日の生活の中で必ずその日の成果を確認する時間をスケジュールの中に組み込んでおくことも精神的な意味で単調な日々に、新たな意欲を呼び起こすことに有効に働きます。今日頑張ったことで確実にほんの少しでも合格に近づいたったのだという実感を持てれば、明日への意欲が呼び起こされるのではないでしょうか。 ビットキャンパスのWebテストはこの意味で最も適した教材だと言えます。パソコンを使ったということで気分転換にもなりますし、15~20分ですぐに毎日の勉強の短期的な成果を確かめることができます。

(ウ)赤本(高校の過去の出題問題集)の取り組み方法とその考え方

志望高校で過去にどんな問題が出題されたのかを知るのは、入試情報の中でも
最も大切なものです。*1この研究なくして受験勉強はあり得ないと言えます。過
去問を研究分析してそれに合った勉強こそ本当の意味での受験勉強だと言えます。しかし、いきなりこれを行ってもそれなりの学力が備わっていないことには、全く歯が立たずガッカリしてやる気を喪失してしまうのが落ちでしょう。赤本の研究にも段階があります。最初の段階(一般的には4月の段階)では何点とれるのかを気にせず、あくまでも問題の傾向、例えばその形式(論述・記述・穴埋めなど)とか内容(計算問題がどれだけ出るのか・英語の長文はどの程度の長さなのか)をつかむことが主眼となります。ここで得た志望校の出題傾向を意識しつつ勉強に取り組むことが必要となります。しかし全く同じ問題は出ないでしょうし、一校しか受験しないわけではないのですから過剰な意識は慎むべきです。ただ、この情報なしで闇雲に勉強していたのでは、少なくとも的確な受験勉強をしているとは言えません。次の段階(一般的には12月以降)での赤本研究は、前の段階とは逆に自分で必ず解いてみることが必要になります。そして、自分の弱点、例えば特に弱い項目(英語で前置詞が頻繁に出題されているのにいつもできない)とか、特に出来ない問題の形式や内容(都立高校の理科の問題の出し方には特徴があります。)とかを発見できた場合には、早速その補強をする必要があります。

PAGETOP
Copyright © 中学生、科目ごとの勉強法 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.