愛和塾には飛田給・西調布・武蔵野台・白糸台周辺の小中学生が通っています。主に都立高校志望の非通塾者に向けて勉強法を記述しました。

歴史

Ⅰ原始・古代

 a)世界編

 ①人類の発生

古生人類
猿人=アウストラロピテクス
原人=ジャワ原人。北京原人
旧人=ネアンデルタール人
現生人類(現在の人類)
新人=ホモ・サピエンス

旧石器時代
打製石器、骨角器
新石器時代
磨製石器、土器、農耕の開始(定住化、むら、小国の成立)

②古代文明

文明の3要素
文字・金属器・国家

四大河文明

 ア.エジプト文明(紀元前3000年頃)

ナイル川流域
ピラミッド、十進法、太陽暦、象形文字(ヒエログリフ)

 イ.メソポタミア文明(紀元前3000年頃)

チグリス・ユーフラテス川流域
くさび形文字、六十進法、太陰暦、七曜制

ハンムラビ王、ハンムラビ法典(目には目を歯には歯を)

 ウ.インダス文明(紀元前2500年頃)

インダス川流域
モヘンジョダロ、ハラッパー(都市遺跡)、印章(絵文字)

バラモン教
カースト制度(バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・シュードラ)
シャカ(ゴータマ=シッダールタ)、仏教

エ.黄河文明(紀元前16世紀頃)

黄河流域
甲骨文字、青銅器

殷(いん)
周、封建制度
春秋戦国時代、孔子(『論語』、儒教)
秦、始皇帝(万里の長城・兵馬俑)   紀元前3世紀
漢(前3世紀~後3世紀)、武帝、シルクロード(絹の道)を通じてローマ帝国と交易

b)日本編

 ①先土器時代(旧石器時代)   1万年以上前

大陸と地続きであった、氷河時代、マンモス象、ナウマン象
岩宿遺跡(群馬県)・野尻湖遺跡(長野県)

1200年前に温暖な気候となる
日本列島が大陸から切り離される

②縄文時代(新石器時代)   12000年前から

縄文土器、磨製石器
土偶、竪穴住居
貝塚(ゴミ捨て場)、大森貝塚(東京都・モース)
狩猟・採集の経済
三内丸山遺跡(青森県・巨大な建物の存在)

③弥生時代(紀元前4世紀頃から)

弥生土器
稲作と金属器(青銅器・鉄器)が中国(漢)から伝わる
石包丁、高床倉庫
登呂遺跡(静岡県・水田・竪穴住居・高床倉庫)
吉野ヶ里遺跡(佐賀県・二重の堀に囲まれた大規模集落)

定住化  むら→小国の成立
1世紀 倭国、金印『漢倭奴国王』(江戸時代に志賀島で発見)

3世紀 邪馬台国(30くらいの小国を従えた連合国)、卑弥呼(女王)
中国(魏)との関係 『魏志倭人伝』
大和説・北九州説など

④古墳時代

 ア.大和政権 3世紀後半

大和朝廷による九州南部から東北地方を統一
大王を中心とした豪族の連合政権

 イ. 古墳文化

前方後円墳など(大きな権力の象徴)
大山古墳(仁徳天皇陵)
埴輪(人物・動物・家などの形)

ウ. 中国・朝鮮との交流

『倭王武の上表文』(中国南朝から倭王として認めてもらうための)
朝鮮半島
高句麗(北部)、百済(南西部)、新羅(南東部)、加羅(任那・南部)

渡来人
漢字・儒教・仏教などを伝える
須恵器・絹織物を作る技術を伝える

⑤飛鳥時代

 ア. 東アジアの動き

隋  6世紀に中国を統一
大運河
唐 7世紀に中国を統一
長安(都)、律令制

 イ.聖徳太子の政治

推古天皇の摂政、蘇我馬子と協力
冠位十二階
十七条の憲法
遣隋使の派遣、小野妹子
飛鳥文化
法隆寺、釈迦三尊像、天寿国繍帳、玉虫厨子

 ウ.大化の改新(645年)

中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)が中心に行った、
政治改革(公地公民)
白村江の戦い

壬申の乱(672(701年)年)
大海人皇子(後の天武天皇)と大友皇子(天智天皇の皇子)の戦い
大宝律令(701年)
2官8省、国郡里制、班田収授の法(6歳以上の男女に口分田を与える)

 ⑥奈良時代

 ア. 平城京(710年)

和同開珎
国史・郡司
大宰府(北九州)、多賀城(東北地方)

イ.当時の人々の生活

租・庸・調    防人(さきもり)

逃亡(口分田を放棄して逃げ出す)
墾田永年私財法(743年)

ウ.奈良時代の文化

遣唐使の派遣(630~894年)   白紙(894)に戻す遣唐使廃止
鑑真 唐招提寺
天平文化
東大寺(奈良)、国分寺・国分尼寺(国ごと)
大仏建立(行基の協力)
正倉院(聖武天皇の調度品)  校倉造り
『古事記』・『日本書紀』、『風土記』、』『万葉集』

 ⑦平安時代

 ア. 平安京(794年)

泣くよ(794)鴬(うぐいす)平安京
桓武天皇が都を遷して、律令政治の再建しようとした

 イ.東北経営

坂上田村麻呂(征夷大将軍)を派遣(蝦夷を打つため)

 ウ.藤原氏の政治

摂関政治
一族の娘を天皇に嫁がせ、天皇の外戚として権力を握る
藤原道長・頼通
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の欠けたることも無しと思へば」
官職の独占と荘園からの収入
受領(ずりょう)の横暴  地方政治の混乱

 エ.平安時代の文化

新しい仏教
最澄  天台宗 比叡山延暦寺
空海  真言宗  高野山金剛峯寺  密教
国風文化
かな文字
『古今和歌集』『土佐日記』(紀貫之)
『源氏物語』(紫式部)、『枕草子』(清少納言)
寝殿造り
大和絵   『源氏物語絵巻』
浄土信仰(阿弥陀信仰)
宇治の平等院鳳凰堂(藤原頼通)   中尊寺金色堂

オ.武士の起こり

地方で力をつけた豪族や有力農民らが
自らの土地を守るために武装化
集団を作り(武士団)
特に有力なのが、源氏と平氏
都で貴族の屋敷の警備などについて力を伸ばした。

 カ.武士の成長

平将門の乱(935年)     関東地方
藤原純友の乱(939年)     瀬戸内地方
前九年の役(1051年)・後三年の役(1083年)
源義家が関東で勢力を伸ばす

 キ.院政

白河上皇が、院政を始める(1086年)
摂関家から上皇に権力が移る

 ク.平氏の政治

保元の乱(1156年)・平治の乱(1159年)により平清盛が権力を握る
平清盛、太政大臣となる(1167年)
平氏一族が、官位官職を独占
大輪田泊(兵庫港)、日宋貿易

Ⅰ.中世

 c)日本

 ①鎌倉幕府の成立

 ア.鎌倉幕府成立

壇ノ浦の戦い(1185年)で平氏滅亡
守護・地頭の設置
源頼朝、征夷大将軍となる(1192年)          良い国(1192)作ろう鎌倉幕府
封建制度  土地を仲立ちとした主従関係
御恩(以前からの領地支配の保障や新しい領地を与える)
奉公(将軍への軍事的忠誠)    「いざ鎌倉」

 イ.執権政治

頼朝の妻・北条政子の一族が、執権として権力を握る

 ウ.承久の乱(1221年)

後鳥羽上皇が倒幕の兵を挙げる    幕府側の勝利
京都に六波羅探題を設置(幕府の支配力西国にも及ぶ)

エ.御成敗式目(貞永式目)の制定(1232年)

武家の裁判の基準  初めての武家の法令
執権・北条泰時により制定

オ.武士と農民の生活

武士  武家造の住居 農業を営みながら質素な生活
武術・馬術などに励む  笠懸(かさがけ)・流鏑馬(やぶさめ)
農民  牛馬耗の普及 草木灰の使用  二毛作の普及
定期市  三斎市

②元寇と幕府滅亡

ア.モンゴル帝国

13世紀初めに、チンギス・ハンがモンゴル民族を統一
モンゴル帝国成立 中国からヨーッパ東部にまたがる領域
後にいくつかの国に分裂
マルコ・ポーロ 『世界の記述(東方見聞録)』  (黄金の国ジパング)

イ. 元

フビライ・ハンが大都(現在の北京)を都に、元を建てる
宋を滅ぼし、高麗(朝鮮半島)も支配

ウ.元寇

文永の役(1274年)
弘安の役(1281年)
自然の力(暴風雨)もあり、侵略を食い止める

エ. 鎌倉幕府の衰退

御家人の生活困窮化
元寇出兵のための出費、恩賞無し
幕府への不満
悪党の出現 (楠木正成など)
幕府の対策 徳政令(借金を帳消しにする法令)   逆効果で混乱
後醍醐天皇
足利尊氏・新田義貞らの武力により、倒幕に成功(1333年)

③鎌倉時代の文化

簡素で力強い文化

ア.鎌倉新仏教

浄土系
浄土宗  法然 念仏(南無阿弥陀仏)を唱えれば極楽浄土に生まれ変われる
浄土真宗 親鸞 悪人こそ救われる「悪人正機説」
時宗   一遍  「踊り念仏」で全国に布教
禅宗系
臨済宗  栄西   ひたすら座禅を組むことで悟る
曹洞宗  道元   公案
法華系
法華宗  日蓮  「南無妙法蓮華経」の題目を唱えれば人も国家も救われる

イ.鎌倉文化

軍記物 『平家物語』琵琶法師によって語られる
随筆    鴨長明『方丈記』、吉田兼好(兼好法師)『徒然草』
勅撰和歌集  『新古今和歌集』(藤原定家)
建築 東大寺南大門
彫刻 金剛力士像(運慶・快慶の作)

④室町幕府の成立

ア.建武の新政(1334~1336年)

後醍醐天皇の親政
公家・武家の両者から不満
足利尊氏・新田義貞らの挙兵  短期間で終わる

イ.南北朝の騒乱

後醍醐天皇(南朝)  吉野(奈良県)
光厳天皇(北朝)    京都      足利尊氏が擁立
約60年間に及ぶ騒乱の時代

ウ.室町幕府の成立

足利尊氏、征夷大将軍となる(1338年)
足利義満、南北朝の合一(1392年)
幕府のしくみ(鎌倉時代との違いに注意)
管領(将軍の補佐)
鎌倉府(東国の監視)
守護大名(地方の有力武士を守護に任命して治めさせる)
強大な力を持ち、各地の支配権を握る
鎌倉時代の守護は、単なる各国のリーダー
室町時代の守護は、各国のの支配者(大名)

⑤14・15世紀の東アジア情勢

ア.中国

明 元(モンゴル民族)を北方に追いやり、漢民族が建てた王朝
倭寇(日本人の海賊、南北朝の騒乱期)に苦しむ
勘合貿易(日明貿易)
勘合符(倭寇と区別するための合い札)を用いた貿易

イ.朝鮮半島

李氏朝鮮  14世紀に李成桂が、高麗を滅ぼし建国
ハングル(朝鮮語を表す文字)が作られる

ウ.琉球

琉球王国  15世紀に尚氏が奥縄本当を統一して建国

エ.蝦夷地(現在の北海道)

アイヌ民族 狩りや漁  交易を行う

⑥室町時代の産業の発達

農業   二毛作が各地に広まる
商品作物(売るための作物)    茶・藍・桑・綿
商工業
手工業  西陣織
定期市  月6回の六斎市
座(商工業者の同業者組合)の発達
土倉・酒屋   高利貸し
馬借・車借・問(運送業者)   問屋

⑦室町時代の社会の変動

ア.農村の自治

惣(農民の自治組織)  村の掟をつくる
土一揆  年貢軽減や徳政を求めて団結する
正長の土一揆(1428年)

イ.都市の自治

港町(堺・博多など)  門前町(寺の門前にできる)
町衆 京都の有力な町人たち
自治都市
堺・京都・博多など

ウ.一揆

山城国一揆   山城国(京都府)の守護を追い出し8年間自治を行う
加賀の一向一揆
加賀国(石川県)の一向宗(浄土真宗)の門徒たちが守護を倒し
約100年間自治を行う

⑧戦国時代

ア.応仁の乱(1467~1477年)

足利義政(8代将軍)の継嗣問題、細川氏と山名氏の勢力争い
11年間続き、京都が焼け野原となる

イ.下剋上の風潮

将軍から守護などの官職をもらわずに、
実力によって上の身分の者にとって代わる風潮
具体的には、守護大名の地位を家来が奪ってしまうこと。

ウ.戦国大名

分国法(戦国大名の領地=分国の中だけで有効な法令)
城下町に家来や商工業者を集め、農村には農民だけを住まわせる

⑨室町時代の文化

公家の文化と武家の文化が融合した文化
禅宗の影響が大きい

ア.北山文化

3代将軍 足利義満の時代の文化
京都北山の別荘 北山山荘=金閣(鹿苑寺金閣)
能(能楽)  観阿弥・世阿弥の父子

イ.東山文化

8代将軍 足利義政の時代の文化
京都東山の別荘 東山山荘=銀閣(慈照寺銀閣)
書院造(現代和風建築のもと)
水墨画 雪舟

ウ.文化の広がり

民衆文化の発達
御伽草子 『一寸法師』
狂言
文化の地方伝播  応仁の乱以降、公家らが地方に移り住んだため
連歌の流行

d)ヨーロッパ世界の成立

①イスラム世界の成立

ア.イスラム教

7世紀初め、ムハンマド(マホメット)が開く
唯一神アラー(アッラー)の信仰
世界三大宗教の一つ(仏教・キリスト教・イスラム教)

イ.イスラム帝国

北アフリカから中央アジアにかけての広い地域を支配
イスラム商人の活躍

②中世ヨーロッパ

ア.カトリック教会

ローマ教皇(法王)  各国の国王を従える

イ.十字軍

ローマ教皇の呼びかけで、
聖地イェルサレムをイスラム教徒から取り返すために7回派遣される
結果として、貿易が盛んとなり商工業が発達し市民が力を持つようになったが、
その失敗により、ローマ教皇の力は衰えた。

③ヨーロッパ世界の発展

ア.ルネサンス(文芸復興)

古代ギリシア・ローマの文芸を復興させようという動き
人間中心主義(ヒューマニズム)
神中心のキリスト教のしきたりにこだわらない
天文学・地理学の発達
地動説と地球球体説
ルネサンスの三大発明
火薬・羅針盤・活版印刷術

イ.大航海時代

アジアの香辛料(胡椒)や絹を求めて、
キリスト教広めるため
ルネサンスの航海技術を利用して

 i  コロンブス(イタリアのジャノバの人)

西インド諸島に到達(一般的にいうアメリカ大陸の発見)
南北アメリカが、スペインの植民地となる(スペイン国王の助力による)
ブラジルだけはポルトガルの植民地

 ii バスコ=ダ=ガマ(ポルトガル)

インド新航路開拓
アフリカ大陸最南端の喜望峰を回る航路

 iii マゼラン

世界周航(マゼラン自身はフィリピンのセブ島で殺される)
マゼラン海峡の発見
地球が球体であることの証明となる
以上三者とも地図の上で航路を確認しておく

ウ.宗教改革

ルター ドイツで宗教改革
ローマ教会の免罪符の販売に抗議
聖書中心主義を主張
カルバン(フランス人)
ベルギーで宗教改革
ルター派・カルバン派の人々を
カトリックに対してプロテスタント(抗議する人)と呼ぶ

エ.反宗教改革

カトリック教会の内部での教会改革の動き
イエズス会
イグナティウス=ロヨラ
フランシスコ=シャビエル(アジア担当、日本へ布教)

Ⅱ近世

e)ヨーロッパ人の来航

①鉄砲の伝来

ポルトガル人(中国船)が種子島に漂流、鉄砲を伝える
堺・根来・国友で鉄砲が造られる

②キリスト教の伝来

イエズス会の宣教師フランシスコ=シャビエルが鹿児島に上陸
キリスト教(ローマ=カトリック)を伝える
西日本を中心にキリシタン(キリスト教徒)が増加    キリシタン大名

③南蛮貿易

南蛮人 スペイン人・ポルトガル人
平戸・長崎などで貿易を行う
日本の輸入品   鉄砲・火薬     (注)中国からは生糸・絹織物
日本の輸出品   金・銀
南蛮文化
医学・天文学・活版印刷、   カステラなどの外来語
(注)紅毛人 オランダ人・イギリス人

f)全国統一

①織田信長

ア.統一事業

桶狭間の戦い(1560年)   今川義元を滅ぼす   デビュー戦
足利義昭(室町幕府最後の将軍)を京都から追放(1573年) 室町幕府滅亡
(古代勢力への攻撃)         延暦寺の焼き討ち
(新しい勢力=自治都市を支配下に)  堺の自治を奪う
(新しい勢力=一揆勢力を支配下に)  本願寺を攻める
(ライバル=戦国大名への攻撃)        長篠の戦い(1575年)
本能寺の変(1582年)
家臣の明智光秀により攻められて自害

イ.政策

安土城の築城(統一の拠点)
楽市・楽座(市での税の免除・座の特権の廃止)
関銭の廃止

②豊臣秀吉

ア.統一事業

大阪城(統一の拠点)の築城
関白に就任   朝廷の権威を利用
北条氏(後北条氏)を滅ぼし全国統一を成し遂げる(1590年)

イ.政策

i  太閤検地(1582年~)

全国規模での検地
田畑の面積・収穫高・耕作者を検地帳に記入
農民への支配を整え、年貢の取り立てを確実にする
石高制(土地を収穫高で表す)  長さ・面積などの単位を統一

ii 刀狩り(1588年)

農村からの武器の一掃 一揆の防止(年貢の取り立てを確実にする)
身分統制令  武士と農民の身分区別の明確化(兵農分離)

iii朝鮮出兵

文禄の役(1592~3年)・慶長の役(1596~7年)
李舜臣の水軍や明の援軍により苦戦、失敗

③桃山文化

特色:豪華で雄大な文化 (大名や豪商の経済力を背景として)
姫路城
障壁画(ふすま絵)
狩野永徳『唐獅子図屏風』・狩野山楽
千利休(佗茶)
出雲の阿国  歌舞伎踊り

g)江戸幕府の成立(確立期)

①幕藩体制

ア.江戸幕府の成立

関ヶ原の戦い(1600年)
徳川家康(東軍)が石田三成(西軍)を破る
徳川家康、征夷大将軍となる   【江戸幕府の成立】(1603年)
大坂(大阪)夏の陣で豊臣氏滅亡(1615年)

イ.幕藩体制

将軍(幕府の長)と大名(藩主)が主従関係を結び、全国を支配
大名:将軍の直接の家臣で1万石以上を与えられている者
親藩(徳川氏の親戚)
譜代大名(関ヶ原の合戦以前からの徳川氏の家臣)
外様大名(関ヶ原の合戦以後に徳川氏の家臣となる)
老中(実際に政治を行う責任者、複数人、一般に譜代大名から選ばれる)
若年寄(老中の補佐)
三奉行 寺社奉行・(江戸)町奉行・勘定奉行
武家諸法度(将軍の代替わりごとに発布)
参勤交代(3大将軍徳川家光の時の武家諸法度から制度化)
江戸と国元を原則一年ごとに参勤する
大名にお金を使わせたり、妻子を人質としておくことで謀反を防ぐ
禁中並公家諸法度(朝廷・公家の統制)

②江戸時代の身分制度

士・農工商
武士  支配階級、名字・帯刀の特権(切り捨て御免)
農民 村方三役(庄屋・名主、組頭、百姓代)
年貢米を治める者として最も厳しく支配される
『慶安の御触書』(日常生活の細部まで統制)
五人組の制度(年貢支払い・防犯に連帯責任)
町人  手工業者・商人 城下町などに住む
商人の一部は、後に豪商(富豪な商人)として大きな力を持つようになる

③外交政策

ア.朱印船貿易

豊臣秀吉の頃から始まる
特定の商人に朱印状を与えて貿易を許可した。
日本町 東南アジアの各地にできた日本人の町   (例)アユタヤ(タイ)

イ.キリスト教の禁止

島原・天草一揆(1637年)
寺請制度 踏み絵

ウ.鎖国の完成

キリスト教は禁止した上で、貿易上の利益を幕府が独占する
ポルトガル船の来貢禁止(1639年)
オランダ商館出島に移される(1641年)
長崎のみを開港して、中国とオランダとのみ貿易を許す

エ.鎖国中の外交

朝鮮通信使(将軍の代替わりごと)  対馬藩を通じて貿易
琉球慶賀使(将軍や琉球王の代替わりごと)   薩摩藩を通じて支配

④産業の発達

ア.農業の発達

新田開発
農具の改良 備中鍬(深く耕せる)、千歯扱き(効率のよい脱穀が可能)
肥料        干鰯、油かす
商品作物    菜種油、藍・紅花(染料)

イ.鉱工業の発達

鉱山開発    佐渡金山、生野銀山・石見銀山、足尾銅山・別子銅山
貨幣鋳造 金座・銀座・銭座

ウ.水産業の発達

九十九里浜の鰯漁(干鰯に加工)
蝦夷地(北海道)のニシン・昆布漁
土佐沖の鰹漁

エ.都市の発達

三都  江戸『将軍のお膝元』、大坂(大阪)『天下の台所』、京都(古都)
(各大名の蔵屋敷)
各地に、城下町・港町・門前町・寺内町(一向宗の寺の境内)・宿場町
株仲間(商工業者の同業者組合)
両替商  三井(江戸)・鴻池(大坂)

オ.交通の発達

五街道   東海道中・中山道・甲州道中・日光道中・奥州道中(街道)
東廻り航路、西廻り航路
菱垣廻船・樽廻船                                  (注)地図の上で確認のこと

⑤元禄文化

ア.元禄文化

上方(京都・大阪)に栄えた町人中心の華やかな文化
浮世草子  井原西鶴
人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本   近松門左衛門
俳諧    松尾芭蕉  『奥の細道』(紀行文)
浮世絵  菱川師宣『見返り美人図』

イ.学問の発達

儒学(特に朱子学)  幕府の学問として発達
『大日本史』(徳川光圀から編纂が始まる)

h)三大改革

①文治政治

これまでの武断政治による弊害のため
牢人がふえ、乱世を望む風潮が見られた
(例)由井正雪の乱 赤穂浪士の討ち入り
儒学(朱子学)による政治=文治政治にかわる

ア.徳川綱吉の政治(1680~1709年)

湯島聖堂を建てる
生類憐れみの令(1687~)  何度も発令
極端な動物愛護令
寺院の建築などによる財政難
貨幣の改鋳(貨幣の質を悪くする)  物価の上昇

イ.新井白石の政治(正徳の治)  (1709~1716)

貨幣の質を元に戻す
長崎貿易の制限(金銀の国外流出を抑えるため)

ウ.貨幣経済の広がり

農村でも貨幣経済が広がる
農具や肥料などの購入のため
商品作物の栽培が広がる(売るための作物、貨幣を得るため)
貧富の差が増大する

エ.百姓一揆

百姓一揆(農村)
農民が一致団結して年貢取り立てなどに抵抗
飢饉の際には特に発生件数が増えた
打ちこわし(都市)
都市では商人に対して借金の証文破り捨てなど

 三大飢饉

i  享保の大飢饉
ii 天明の大飢饉
iii天保の大飢饉

②幕政の改革

ア.享保の改革(1716~1745年)

8第将軍・徳川吉宗の政治
家康の政治を理想として、質素・倹約と武芸を奨励
新田開発
目安箱(江戸の町人の投書により役人の綱紀粛正をはかる)
町火消し、小石川養生所(薬施園)
上米の制(大名の参勤交代を緩める代わりに米を献上させる)
公事方御定書(裁判の基準)
【結果】幕府収入の増加、一時的に幕府の財政は立ち直る

イ.田沼意次の政治

商人の財力を利用して、幕政の立て直しを図る
株仲間の奨励(特権を認める代わりに税をとる)
長崎貿易の奨励
蝦夷地開発、印旛沼の干拓(半ばにして失脚)
【結果】経済は活発化したが、賄賂政治が横行

ウ.寛政の改革(1789~1793年)

老中松平定信による改革
質素・倹約と学問・武芸の奨励
寛政異学の禁(幕府の学問所での朱子学以外の講義は禁止)
昌平坂学問所の設置
旧里帰農令(農村復興のため出稼ぎの農民を農村に帰す)
囲い米の制(飢饉に備え、村や町に米を蓄えさせる)
棄捐令(旗本・御家人を救済のため借金を帳消し)
【結果】厳しい改革で人々の反感を買う

エ.外国船の接近

ラックスマン、根室に来航(1792年)
間宮林蔵が樺太を探検(間宮海峡)、近藤重蔵が千島を探検
異国船打払令
日本沿岸に来港した外国船は打ち払い、上陸した外国人はとらえる
蛮社の獄:令に反対した蘭学者の渡辺崋山・高野長英らを処罰

オ.大塩平八郎の乱(1837年)

元幕府の役人であった、大坂(大阪)で乱を起こす

カ.天保の改革(1830~1843年)

老中水野忠邦による改革
厳しい倹約令・風俗の取り締まり
人返しの法(出稼ぎの農民を農村に返し、年貢米の安定をはかる)
株仲間の解散
物価上昇の原因を株仲間として解散させたが、流通が混乱をまねいた
上知(地)令
大名の領地替えにより、江戸・大阪などを幕府の直轄領とするが
大名・旗本の反対で失敗
【結果】強引な改革で、2年で失敗に終わる

③新しい学問と化政文化

ア.新しい学問

国学(仏教・儒教などが入ってくる以前の日本人の考え方を追求)
本居宣長『古事記伝』(尊皇攘夷運動に影響)
蘭学(オランダ語を通じて西洋の知識や学問を学ぶ)
杉田玄白・前野良沢『解体新書』
伊能忠敬『大日本沿海輿地図』(自ら測量して歩く)
教育の普及
藩校(各藩の学校)、寺子屋(町人や百姓の子が読み・書き・そろばんを学ぶ)

イ.化政文化(18世紀後半~19世紀前半)

文化・文政年間を中心に、江戸の町人を中心とした文化
皮肉・しゃれを好む文化
川柳(五七五)・狂歌(五七五七七)の流行
小説 十返舎一九『東海道中膝栗毛』、滝沢馬琴『南総里見八犬伝』
俳諧 与謝蕪村、小林一茶
浮世絵
美人画 喜多川歌麿
風景画  葛飾北斎『富嶽三十六景』、歌川(安藤)広重『東海道五十三次』

i)近代市民社会(世界編)

【注】絶対王政とは
ローマ教皇(聖職者)の勢力や各地の諸侯=中世的勢力と
大商人(交易などで大規模な商売により活躍する者)=近代的勢力の
勢力均衡状態の中で各国の国王に権力が集中する
特に大商人は国王による中央集権国家の建設を望んだため
大商人の財力に支えられて、国王が常備軍と官僚制により中央集権国家を建設した
【注】市民革命とは
大商人(後の市民階級)は、自らの力を自覚するに及んで、
国王の重税その他の圧政に対し、武力によりそれを打ち破ることとなった
暴力を正当化する思想的背景が必要となる=『啓蒙思想』
市民階級による、絶対王政への革命
【注】啓蒙思想とは
i ロック(英)  『市民政府二論』(政府の仕事は市民の人権を守ることである)
iiルソー(仏)   『社会契約論』(国は市民との契約によって成り立っている)
iiiモンテスキュー(仏)『法の精神』(権力を分立させてお互いに監視し合う)

①イギリスの市民革命

ア.イギリスにおける絶対王政

エリザベス1世
1588年スペインの無敵艦隊を破り、海上県を握る

イ.ピューリタン(清教徒)革命

ピューリタン(清教徒)を中心とする市民階級の人々が国王軍を破り王政を廃止
クロムウェルを中心に共和政(国王のいない政治)を行う
その死後、王政が復活

ウ.名誉革命

議会が国王を追放し、オランダから国王を迎え
権利の章典を認めさせた
『法律なくして逮捕無し、議会の承認なくして課税無し』(権利の章典)
立憲君主制の元となる  この後、議会政治が発達する

②アメリカの独立

ア.独立戦争      【田布意次の政治の頃】

北アメリカ大陸の東岸に13の植民地
本国イギリスの重税に反発して
1775年、独立戦争を起こす
『独立宣言』(1776年)を発表

イ.アメリカ合衆国の成立

1787年合衆国憲法を制定
人民主権・連邦制・三権分立(大統領制)
初代大統領、ワシントン

③フランス革命     【寛政の改革の頃】

ア.ルイ14世の絶対王政

ベルサイユ宮殿の建設 多くの侵略戦争 支出増大 財政の悪化 重税
アンシャンレジーム(旧体制)
僧や貴族(特権階級)と寿税に苦しむ市民階級(実はその下に大多数の農民)

イ.フランス革命

1789年、市民が国民会議をつくる
バスチーユ牢獄を襲撃  フランス革命の開始
『人権宣言』(1789年)を発表
自由・平等、人民主権、私有財産の不可侵などを定める
ルイ16世の処刑   マリーアントワネット(ルイ16世の后)も処刑

ウ.ナポレオンの政治

反革命の周囲の国々が、フランスを攻撃
ナポレオンの活躍でヨーロッパの大部分を制服
征服地に(その人民に)フランス革命の思想を広める
ロシア遠征に失敗して、ナポレオン失脚
ウィーン会議
ヨーロッパ各国代表により、すべてナポレオン以前に返すことを決める
その後フランスでも王政が復活した

j)産業革命と欧米諸国の発展

①産業革命

産業や交通機関の発達、それにともなう社会の大きな変化を産業革命という

ア.産業の発達

18世紀の半ば、イギリスではじまる
織機・紡績機の機械の発明とにより
蒸気機関の改良、その利用により繊維工業部門での大量生産が可能になる

イ.交通機関の発達

フルトンによる蒸気船の発明(1807年)
スチーブンソンによる蒸気機関車の実用化(1814年)などの交通革命をもたらす

ウ.社会の変化

生産の機械化は大量生産をもたらしただけでなく
機械を備えた工場は、農村から都市に移り、
職人を必要としない労働者は、安価な女性や子どもを

②19世紀の欧米諸国

ア.イギリス

 イ.アメリカ

 ウ.ドイツ

③欧米諸国のアジア進出

ア.イギリスの三角貿易

 イ.アヘン戦争

 ウ.インド大反乱(セポイの反乱)

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